自分の感覚で仕込んでいる時間と、
果実とお酒がじんわり混じりあっていく様が妙に気持ち良いので、
果実酒をつくるのが好きです。
季節の真っ盛りにその一部分を拾って、
季節の終わりをもうすこし先延ばしにできそうな感じも、好きです。
先日、引っ越し前に一旦友人に預かってもらった果実酒を引き取りに行ったら、
大瓶で6本ほど出てきたので、預けた自分でもびっくりしました。(忘れてただけ)
しかしながら数年前ほどお酒が進まなくなった自分には
大瓶で仕込んだお酒はとても飲みきれないので、最近はワンカップ果実酒にトライし始めました。

空いたジャム瓶サイズの容器に果実と砂糖(氷砂糖)とお酒を入れて放置しておくだけなのですが、日々変わっていく色合いと果実の様子を眺められるよう、目線の高さに置いておいて、
しばらく経って、ふと季節の変わり目を感じた時に開けて飲むと
程よく味わいが深まっているので、無くなるのを惜しみながら何日かかけて飲み切ります。
鼻先の薫りで思い出を浮かべて、季節の終わりにぐらつく心を慰めたら、
飲み切ったころにはもう次の季節がすぐそこに。
寂しさを覚えていたはずが、いつの間にか、次はどんなお酒にしようかな。と、考えている自分がいるのです。
