ワンカップ果実酒

自分の感覚で仕込んでいる時間と、
果実とお酒がじんわり混じりあっていく様が妙に気持ち良いので、
果実酒をつくるのが好きです。

季節の真っ盛りにその一部分を拾って、
季節の終わりをもうすこし先延ばしにできそうな感じも、好きです。

先日、引っ越し前に一旦友人に預かってもらった果実酒を引き取りに行ったら、
大瓶で6本ほど出てきたので、預けた自分でもびっくりしました。(忘れてただけ)

しかしながら数年前ほどお酒が進まなくなった自分には
大瓶で仕込んだお酒はとても飲みきれないので、最近はワンカップ果実酒にトライし始めました。

空いたジャム瓶サイズの容器に果実と砂糖(氷砂糖)とお酒を入れて放置しておくだけなのですが、日々変わっていく色合いと果実の様子を眺められるよう、目線の高さに置いておいて、

しばらく経って、ふと季節の変わり目を感じた時に開けて飲むと
程よく味わいが深まっているので、無くなるのを惜しみながら何日かかけて飲み切ります。

鼻先の薫りで思い出を浮かべて、季節の終わりにぐらつく心を慰めたら、
飲み切ったころにはもう次の季節がすぐそこに。

寂しさを覚えていたはずが、いつの間にか、次はどんなお酒にしようかな。と、考えている自分がいるのです。

特産品のブルーベリーで。こちらはツーカップくらいになってしまった。

石の上にも石

長男は隣町の放課後等デイサービスに通っている。

村内の児童クラブは専門人員が不足しているとのことで対応が難しく、自宅から30km離れたところに申し込みをした。

隣町と言っても長野県阿南町、県をまたぐので行政としてはいろいろ面倒だろうと思うが、うまくやってもらっており助かっている。

自宅まで送迎してもらうのは現実的ではないので、近くの公共施設で待ち合わせをしてデイサービスまで送ってもらっている。
ある日その待ち合わせ場所で、私がなんとなく始めた石積み遊びを息子もやり始めた。

「難しいよ〜」と言いながらも楽しそうに積んでは崩して遊んでいて、
ゲームやスマホがない中でも楽しく遊べるっていいよね^^と思っていたら、
いつのまにか五段も積みあげていた…!

私でもできないくらいキレイに積んでいて驚き。
普段、ほねほねザウルスで手先を使うからかな?

こういう小さい驚きを日々感じられて楽しいです。

初めての歯医者

7月22日はカフェの営業日だったが、臨時休業とした。

二男の虫歯が見つかったため。

これまでしっかり仕上げ磨きもしていたし、フッ素塗布もしてもらって健診も行って、本人も毎日丁寧にケアをしていたのに…と親子でショックを受けた。本人も悲しくて泣き出してしまったが、親としても責任を感じる。

「ブルーベリーの皮じゃない?」と何度も聞く息子

一番近くて車で1時間

さて、嘆いていても仕方ないので小児歯科を夫婦総出でフル検索する。
すぐに予約が取れるところ、なるべく近くのところ、初めての歯科治療なので小児向けのところ、いくつか候補が出てきた。

一番近いのは長野県飯田市の小児歯科。約1時間の道のり。ただし、山道が続く。

次に近いのは豊川市で1時間30分程度。高速道路を使って行くので、比較的車酔いもしにくい。

果たして、朝イチで電話をして最短日時で予約が取れたのは豊川市の小児歯科であった。
たまたま当日キャンセルが出たそうで、直ちに向かうことに。

道中、二男はずっと喋っていた。しばらく緊張した面持ちで、「ドリルを使うんだよね?」と何度も訊いてきて、何度もまばたきをする。緊張が伝わってきて、こちらとしても申し訳なさが募る。
でも、そのうち仮面ライダーの話に変わったり、保育園のお友達があんなこと言ったとかこんなことしたという話が始まり、ちょっとリラックスしてきた様子。
気持ちを作る時間が取れて僥倖だ。

肝心の治療はバッチリだった。レントゲンはピシッと動かずに撮影できたし、治療中も暴れたり泣いたりせずにじっとできていて、成長っぷりに涙腺が緩んでしまった。
よく頑張ったね…!と何度も褒めました。

予防のための次回予約を取る際、よくよく話を聞くと乳歯はエナメル質が薄くて虫歯になりやすく、溝も小さいのでどんなに丁寧に磨いても磨き残しが出てしまうそう。サボりとか雑とかじゃなく、構造的に仕方ないとのこと。

自分のせいじゃない、とわかって少しホッとしたような息子と、息子よりはるかに罪悪感が和らいだ父親。

この歯の溝を埋めるために”シーラント”という処置を行う予定。

「決断は早いし楽だった」

さてさて、子どもの通院のためにお店は臨時休業としたわけだが、これが会社員なら有給休暇の取得となるだろう。
このあたりはどちらも計画外となるため、調整コストが大きいのは変わらない。
夫婦のどちらが休めるか、祖父母に頼めるか、などは各家庭によっても異なるが、いずれにせよ調整に要する労力はそれなりのはずだ。

ここで自分が思ったことは、上記の通り。1日休む、という決断は全く難しくなかった。

なぜなら、それ以外に選択肢がないからである。

これがもし、家から10〜20分圏内で通院できる都市なら、午後は働けるのか?なら保育園に預けるのか?逆に午前は?待たされるかもしれないから1日休むか?など、条件分岐が増えてしまう。

逆に生まれる隙間時間

丸一日仕事を休むと決めると、一日の中に余剰時間が生まれてくる。
休む!とさっさと決めたおかげだ。病院から帰る頃には保育園に末っ子をお迎えに行き、続けざまにもう長男を放課後等デイサービスからのお迎えに行き、一日のタスクが終わる。

余った時間は親子でぼーっとする。

雲が厚いな〜などと考えながら晩ごはんどうしようかな~と思案するフリをして帰宅する。

病院が遠くて不便だったな〜、とは思わない。
現実問題として不便なのだろうけども、子どもと何時間も車で話しながら一日過ごして、子どもの成長を感じて、ぼ〜っとする時間も作れたのは、病院まで1時間以上かかる豊根村だったからだ、と思う。

初めての歯医者は、この村に来て良かったな、と思う一日だった。

余った時間で子どもたちと行った長野県阿南町の道の駅。親子で風に吹かれながらぼーっとした。