山奥の味噌カツ丼-秘境とみやまで、美味しいをたずねる

富山にある食事処「栃の木」。

限られた時間でも、ここは狙って訪れたいと思うお店のひとつです。

名古屋の食文化に触れて育ってきた私なので、時折味噌カツが無性に食べたくなるのですが、
いかんせん揚げ物は自分で作る気が中々起きません。

富山方面に行くことがあったので、この日は栃の木で昼食にしようと決めました。

少し早くに到着したので、もう少し足を伸ばして大嵐駅まで行って、
スタンプを押してみたり近くを散策して時間つぶし。

いい感じにおなかも空いて営業時間になったので、お店まで戻り、いざ入店。

栃の木には豊富なメニューが揃っているため
どれにしようかなぁと悩みつつも、この日は味噌カツが食べたくなってきたので、
富山の柚子が入った柚子味噌カツ丼をチョイス。

店内にはテレビも置いてありますが、座敷の片隅に置いてある富山村時代の広報物が目に留まりました。
広報と教育委員会だよりを手に取り、富山が辿ってきた時代の流れを感じながら待つことに。

かつての富山村に思いを馳せていると、やがて柚子味噌カツ丼が運ばれてきました。

山あいの景色を眺め、少し歩いたあとだったからでしょうか。

重たさはなく、しっかりしたカツの旨みに、味噌の深いコク、そして柚子の軽やかな香りが重なり、
食欲を呼び起こしてくれるように感じられました。

慣れ親しんだ味噌カツの延長線上にありながら、柚子が加わることで、
“とみやまを親しむ味”になっていて、
その一皿がこの場所で食べる昼食として、きれいに成立しているように感じました。

旅先の食事は、ときに観光地そのものよりも記憶に残ることがあります。

栃の木での食事もまた、味そのものはもちろん向かうまでの道のりや、
開店を待つ間、料理が到着する間に眺められる景色も、すべてひっくるめて記憶に深く残ります。

限られた時間のなかでも、ここはわざわざ訪ねる価値がある。
静かな佇まいのなかにも、そう感じる逸品が栃の木には溢れています。

次は何を食べに行こうかな。